(天声人語)観光船の遭難
北海道?知床の海では、春に流氷がとけだす。それが全ての生態系の基礎になると、作家の立松和平がエッセーに書いている。流氷からは植物プランクトンが放出される。それを栄養にした動物プランクトンが、今度はサケやマスのエサとなる
作家立松和平在他的随笔中写道:到了春天,北海道知床海域的浮冰开始融化,这是构成生态系统的基础。浮游植物从浮冰中被释放出来。浮游动物则能够以它们为食,而鲑鱼和鳟鱼又以浮游动物为食。
▼魚たちはやがて知床の川に戻り、ヒグマたちの糧となる。その食べ残しにありつくのが、キツネやオジロワシなどだ。「海や森に流れる自然の摂理は、何も隠されているわけではない」。知床を愛し、通い詰めた立松の言葉だ
鱼类不久后回到知床的河中,又成为了棕熊的食物。棕熊吃剩后,又被狐狸和秃鹫叼去。立松对于知床很是喜爱,经常前往。他认为:这是在海洋和森林中通用的自然法则,无论什么都不能藏身。
▼そんな大自然の一端に触れる船旅だったのだろう。知床半島の西側、オホーツク海を進んでいた観光船には、24人の乗客と2人の乗員がいた。野生動物をはじめ、滝や奇岩をながめる旅の途中で船は遭難した
想要接触这样的大自然的一面,可以驶船旅行。在知床半岛西侧的鄂霍茨克海上,曾驶有一艘载有24位乘客和两位船员的观光船。这艘船在前去观赏野生动物以及瀑布和奇石的旅途中,不幸罹难。
▼「浸水している」「エンジンが使えない」との通報の後に連絡が途絶え、夜通しの捜索が続いた。残念ながら犠牲者がすでに確認されたという。救命胴衣ひとつで冷たい海に投げ出されたとすれば、むごいというほかない
在收到“船舱进水了”“发动机失灵”的通报后,联络被迫中断。经过夜以继日的搜救,遇难者的身份已被确认。这种情况下,只能身穿一件救生衣,不得已跳进冰冷的海水中,徒有一句凄惨。
▼自然のなかに分け入る。それは荒々しさに身をさらすことでもある。立松は知床の漁師たちを通じてこの海域の厳しさを知り、文章にした。同じ半島の沿岸であっても、場所により波が違う。船頭は出港するか否かを判断するのに、それまでの人生をかけるのだという
纵身进入大自然,便是把自己暴露在大自然的凶猛之前。立松通过知床的渔民知道了这片海域的凶猛,并把它写成了文章。即使是同一半岛的不同沿岸,海浪大小也有所不同。船长则需要赌上自己的人生去判断是否能够出海。
▼観光船が遭難した日は、午後から波が荒れることが見込まれていた。出港を見合わせるべきだという助言もあったようだが、船は海に出た。いったい何があったのか。
遇难那天,天气预报表明从下午开始,海浪就会变得凶猛。即使有人建议应当推迟出海,但船还是出海了。到底发生了什么呢。
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